クラウドファンディングオタク

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データで見るクラウドファンディング①~目標金額達成率は?調達金額は?

第1回目の分析記事です。

最初は一番気になる、プロジェクトの目標金額達成率・調達金額について分析しました。

分析対象は、makuakeというクラウドファンディングサイトのプロダクトカテゴリにある、2016/8/7現在までに募集が終了した319プロジェクトです。

では、まずは目標金額達成率から見てみましょう。

 

目標金額達成率は約5割。意外と高いプロジェクト成功率

319プロジェクトのうち、目標金額達成したプロジェクトは155プロジェクトで、
約5割です。

意外と高い、と思った方が多いのではないでしょうか。(筆者は分析前は10%くらいかと思っていました。)

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上記のデータだけ見ると、「なんだ、クラウドファンディングってカンタンじゃん!」と思いますよね。
しかし、もう少し分析してみると、成功率の高さの背景にある、しょっぱい現実が浮かび上がっています。

 

調達金額・サポーター数は二極化。現実的な目標設定が高い目標金額達成率の理由か

調達金額・サポーター数の分布を見てみると、パレート分布に近い分布をしていることが分かりました。
これは一部のプロジェクトに調達金額・サポーターが集中しており、大半のプロジェクトは調達金額自体は少ないことを意味しています。

まず調達金額を見てみましょう。
341プロジェクトの総調達金額は5.9億円ですが、そのうち51%上位13プロジェクトの調達金額です。
そして、上位20%のプロジェクトにあたる64プロジェクトで、総調達金額の85%を占めているのです。

サポーター数も、調達金額ほどではないですが、同じ傾向がみられます。
341プロジェクトの総サポーター数はのべ4.9万人ですが、上位14プロジェクトに40%、上位64プロジェクトに77%のサポーターが集まっています。

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二極化している理由はいくつか考えられますが、大きい要因としては以下の2つが考えられます。

  1. クラウドファンディングサイトは募集金額が集まる程自社への利益が増えるので、募集金額が集まりそうなプロジェクトをより露出しているから。
  2. 募集金額が一定以上集まったプロジェクトはメディア・SNS・口コミのネタとして取り上げられやすく、更に認知度が高まるから。

以下が事実だとすると、最初に注目されるかがカギです。注目度は個人でのコントロールが難しい要素ですので、調達金額が爆発的に集まるかどうかはある程度運の要素が大きいでしょう。
(とはいえ、ある程度はコントロールができると思いますので、その方法は次回以降で取り上げようと思います。)

コントロールがしにくい要素で二極化している調達金額・サポーター数と高い成功率が意味することは、現実的な目標金額設定がされているということです。

企画段階であまり無理な計画だと、計画の修正や、目標に届かなくともプロジェクトを開始できる立て付けの検討を行うよう、運営側がアドバイスをしているのかもしれませんね。

 

結局どのくらい調達できるの?50万~100万円が1つの目安か

調達が成功するといっても、その調達金額は、1000万円を超えるものもあれば、50万以下のものもあります。以下の分布図を見ると、より直感的にわかります。成功プロジェクトの中でも、大半のプロジェクトが500万円以下の調達なのが現状です。

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調達の成否にかかわらず見てみると、75%は50万円以上調達しており、50%以上が100万円以上調達しています。

ですので、50万~100万の調達は一般的にはある程度想定でき、それ以上は運がよかったら集まる、程度に考えておけばいいかもしれません。

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 もちろん、プロダクトの種類や知名度、ニーズへの訴求度などによって調達金額は異なりますが、計画段階としては損益分岐点としてざっくり50万~100万を見込んで企画すると、ある程度確実性の高い調達計画が立てられるのではないでしょうか。

 

次回は、どんなプロジェクトに資金が集まり、どんなプロジェクトに集まらないかを分析していこうと思います。今回はこの辺で。